社団法人 日本電気制御機器工業会

講演①「ABBのスマートグリッドへの取り組み」

ABB AB(スウェーデン)スマートグリッドグローバルソリューション・マネージャー
Mr.Claudio Marchetti
Mr.Claudio Marchetti

ABB社は売上高380億ドル、世界100カ国以上に14万5千人の従業員を擁し、電力技術と自動化技術の第一人者で、事業は電力設備、電力システム、モータ・ドライブ、低圧開閉装置及び制御装置、自動プロセスの5つから構成されている。また、研究開発に対し、13億ドル以上の研究開発費、7500名の科学者・技術者を投入、70の大学機関と連携している。

今日のエネルギー問題を考えると、過去100年使われ、進歩してきた電気は、世界で最も汎用的なエネルギーで、50億人以上が使用している。発電、送電、配電で構成される電力システムは日々進化しているが、地球温暖化対応の為、速やかによりよいシステムへの進化が必要である。IEA(国際エネルギー機関)の電力需要レポートを見ると、電力がエネルギーの中で最も重要なものであることを示しており、2035年までにインド、中国等アジアの急激な伸びが予想されている。また、CO2排出量レポートを見ると、現在の排出量290億トンがそのままでは2035年に460〜470億トンになる。エネルギー効率の向上、再生可能エネルギー、二酸化炭素貯留の利用に重点を置いたIEAの450のエネルギー効率化政策で2020年から2035年に向けて230億トンへ落とす計画がされている。また、都市化問題も検討しなければならない状況である。世界人口は2007年から2050年にかけて50%〜70%の勢いで成長し、今後40年間で29億人が都市に集中、都市化の90%以上は新興国で発生する。2025年には世界トップ600都市で世界GDPの60%に達し、天然資源の75%を消費する。

再生可能エネルギー発電の構成として、大規模洋上風力発電、水力発電、太陽光やヒートポンプによる分散発電が生まれてきているが、風力発電、太陽光発電は不安定な発電であり、これらを安定化させる新しいシステムが求められている。

ABBのスマートグリッド技術は送電分野で成功を収めてきたが、配電ネットワークが今後重要であり、SCADA、配電・変電システム、高効率電力送電システム、ビルオートメーションシステム、電力線搬送や光、ワイヤレス通信等の保有技術を使用して、風力・太陽光発電製品、電気自動車向けインフラ、需要管理を行うスマートメーター、工業用エネルギー管理システム、スマートハウス用機器を開発していくと同時に投資や研究開発を含む戦略的パートナーシップを拡大していく。また、スマートグリッドの理解を深める為、世界中でビジネス要素も含めた試験プロジェクトに取り組んでいる。これは、顧客とサプライヤーが技術面、経済面及び規制を理解するのに役立つ。最近注目のスマートシティ実現ではエネルギーだけでなく、水や安全、教育など全体的な議論も要求され、課題がある。ストックホルム・ロイヤル港の2011年から行っている実証プロジェクトもその一例である。

電力の持続的な供給を可能とするものとして、効率化がエネルギー将来の鍵であり、再生可能エネルギー並びに信頼性向上がますます重要となる。効率化には送配電が重要で、情報技術を使用した電力のフロー制御が重要になる。ABBは、課題解決に向け研究開発、提携および投資を行っていく。

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