社団法人 日本電気制御機器工業会

講演④「模倣品に対する NECA の取組みと今後の対策について」

パナソニック株式会社 デバイス社 知財戦略室 参事、NECA 模倣品対策研究会主査
西岡 恭志 氏
西岡 恭志 氏

NECAでは、模倣品の流通を社会システムの安全、健康を脅かす存在として捉え、その対策に取り組んでいる。

その活動の中で、中国での模倣品に関するアンケートを2004年と2011年に行った。近年は、模倣品の被害を認識している企業が21%から45%に増加し、2004年のアンケートでは0%であった大きな被害を受けていると認識している企業が、2011年のアンケートでは20%にのぼっている。

会員企業でも、模倣品対策の体制や、対策を行うかの判断基準が明確でない企業が多く、模倣品対策を行う人材の育成が求められている。NECAではこのような会員企業の一助となるよう模倣品対策ガイドラインを作成中である。

中国での模倣品対策のもっとも重要なポイントは、中国での協力者(特許事務所や調査会社等)との信頼関係をいかに築くかであり、どのように連携して活動を行うかである。また近年、模倣品の外観は精巧に作られており商品開発者でも判別が難しいものも多い。この真贋判定は、模倣品を発見した現場で迅速に行えるようにすることも対策活動の成果をあげるために重要である。さらに、模倣品対策は発生した後の事後対策ではなく、模倣されそうなところや、商品を予測して、優先的に予防対策を行うなどの戦略(恒久対策)が必要である。つまり、模倣による利益が多い商品ほど模倣品が発生する可能性が高い。

模倣品かどうかを判定する技術には、マイクロ文字を付加するなど、物理的な加工を施す方法があるが、これらの方法は判定が容易である半面、模倣もされやすいという欠点がある。NECA会員企業には安価で実現できると共に、小さな商品にも応用でき模倣もされ難い技術が求められている。その技術の1つとして、NECAでは特定の励起光を照射することにより、人工的なスペクトル光を出す半導体ナノ粒子蛍光体を商品に付して判別する技術の開発を推進している。この技術は、半導体ナノ粒子蛍光体の粒径や構成比を変えることにより所望の波長の光を発光させることができることを利用したもので、発光波長の異なる蛍光体を組み合わせることで任意の識別コード(固有ID)を作り出すものである。

もともと、固有IDを商品に付す技術は、商品安全の確保のためのトレーサビリティ技術として、NECAでは、2007年から2010年にかけて、大学及び民間企業と連携して開発を行ってきたが、この技術は模倣品の識別にも利用することができるものである。

これまで、模倣品は、知的財産の問題として捉えられてきたが、知的財産権だけで対処するには限界がある。企業の経営問題・品質問題として捉えて対策活動を行う必要があると共に、NECAなどの団体を通じて他企業や政府と連携し対策活動を行う必要がある。

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