社団法人 日本電気制御機器工業会

セーフティアセッサからのメッセージ

セーフティーアセッサ(SA)の活動とリスクアセスメント(RA)の実践

日軽パネルシステム滋賀工場 技術設備課設備担当係長 渡邉寛幸氏

社内生産設備における安全活動、SAの実務として具体的に実施した内容を説明する。
当滋賀工場は、1998年から当時は日本軽金属としてRAを導入するなど機械設備安全化を推進してきたが、内容・手法を正しく理解できていないため、期待される効果が出なかった。
そのRAに期待される効果とは次の通りである。
①リスクが明確・定量化される
②リスクに対する認識を共有できる
③安全対策の優先順位が決定できる
④残留リスクに対して【守るべき決め事】の理由が明確になる
それでは、弊社従来のRAにどのような問題があったのか、以下に示す。
a)リスク内容に具体的な表現が欠ける
b)重大リスクの拾い漏れがある
c)リスクの見積もりが低い
d)対策内容が不十分である
さらに対策が不十分なのにリスクレベルが低減されていることもあった。
そのような環境下、関連会社の安全対策が不十分な古い内製化設備において災害が発生した。直接原因は危険源に手が入る隙間があり、また異常時に設備を停止出来なかったことにあった。間接原因はRAの未熟さ、幸い災害が起きていない事実を安全と見なしていた組織にあった。
この災害を契機に、再び災害を起こさないことと従来のRA問題点を解消すべく、国際的な機械安全に対する手法・考え方を学び、重大リスクの少ない設備の製造現場への提供が必要と考え、そのためSA資格取得を目指し、実際に資格取得することとなった。SA取得後は社内勉強会を実施し、メンバーと共にRAを実施し始めた。具体的にはリスクの内容として具体的な表現が出来るようになり、重大リスクの拾い漏れが無くなった。リスク見積りも適正になり、対策内容においては3ステップメソッド、安全カテゴリを考慮した安全対策を提案できるようになった。また設備担当として、正しく知識を習得したことにより実際の対策も充実させることが可能となった。これはSA取得の効果の一つと考える。
当初は場内の災害類似設備へのRA・対策の横展開を実施し、次にはその他既存設備に対しRA・対策を実施している。さらに新規設備に関して、設備設計時、組立時、設置後においてそれぞれRAを実施している。設計時にRAを実施することにより設計段階でリスクを事前に把握でき、対策によりリスクを低減できるようになり、設置時には既にリスク低減されており、未対策の重大リスクが残ることがなくなった。
今までは災害が起きてからの事後対策でしかなかったが、RA導入により予防安全へと展開出来るようになった。
つまり、【再発防止型安全】から【未然防止型安全】、【先取り型安全】への転換も出来た。また、これまでの安全は人に頼る安全であったが、これからは技術とシステムで保障する安全が必要である。当然指導・教育は必要である。二つ目の効果である。続いてSAの任務の一つとして普及活動が挙げられる。SA取得後階層別に段階的に教育活動を展開してきた。目的はRAの精度アップ及び工場内安全意識レベルの向上である。教育後の現在の活動として、各階層により既存設備・新規設備RA、安全対策の実施及び実際の設備を利用して実践勉強会をおこなっている。これが三つ目の効果である。
最後に、これまでSAを取得し、活動する中で得た思いとして以下のものを挙げる。
1.災害を発生させないために国際規格に対応した設備を提供する。
2.できるだけ多くの人に正しい安全技術・知識を伝える。
今後も我々SAが安全活動の中心となって地道にそして積極的に活動していきたい。

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