社団法人 日本電気制御機器工業会

講演④「スマートグリッドの構築と技術課題」

九州大学 大学院総合理工学研究院 融合創造理工学部門 電気理工学講座 特任教授
合田 忠弘 氏
合田 忠弘 氏

スマートグリッドとは何か。何がスマート(賢い)なのか。IEC-SG3でもスマートグリッドというのは完全には定義されていない。これを我々ビジネスの世界に展開していった場合、もっと定義をしていかねばならない。

ただし、電力系統ということで考えてみれば、各々の国によって現在のポジションが違うし、資源状況も違い、技術力も違う。自分のところではこういうルートをたどって最終ターゲットに向かう、ということを明確にしていかないとスマートグリッドの最終的な構築はできない。最終的な構築に行けない=ビジネスに展開できない、と考えられる。

これを具体的にしていくためにはスマートグリッドで何を目指すのか、ということが大事になってくる。

日本の状況を見ると電力系統は高信頼度であった。高信頼度ネットワークに分散型電源等を入れていく、という意味で従来のネットワークが耐えられなくなるので、そこをどう変えていくか、というところがスマートグリッドの課題だった。

しかし、2年前の震災以降、発電容量そのものが不足してしまったことから、我々は次世代ネットワークを考えた時に、温室効果ガスといった地球環境などを考えながら、いかに電力供給停止を防ぐか、いかに強靱なネットワークを構築するか、を達成することが震災後の課題となった。日本では大きくは8個の分野:送電網監視、配電網の管理、AMI、デマンドレスポンス、EMS、電池、電気自動車、パワコンに力を入れていこうとしている。さらにこの8つの分野を細かく分け26個の分野を特定している。どういうプレイヤーが参加しているかというと、重電メーカだけではなくて、通信メーカがたくさん入っている。スマートグリッドとはシステムの中に色んなサブシステムができてくるためお互いにつながっていく必要がありつながるためのルールが必要になってくる。標準というものの重要さが増してくると思われる。

日本も標準に対しての考え方を変えていく必要があるだろう。日本はデファクト標準、良い物を作って市場で売れていけばそれが標準になる、という考え方であったと思われるが、欧州はデジュール標準、標準を重視しながらものを作っていったのではないか。従来の様に良いモノを作って、というデファクトから軸足はデジュールの方に移って行っているのではないか、と思われる。

日本政府はトップスタンダードという方式を採用して標準というものをベースにしたビジネス展開をしていこう、という方向に軸足を移してきている。

最後に、日本がこのビジネスの世界で勝ち抜いていくためには、何を提案するか、どのようなビジネスを展開していくか、答えはまだまだ出ていない訳なので、これから一緒に考えていく段階にある、と思われる。

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