社団法人 日本電気制御機器工業会

講演⑥「新エネルギー時代における新たな視点の電気安全や制御盤安全の重要性」

直流給電国際標準化委員会 主査 オムロン(株) IAB 企画室 主幹
鶴岡 正敏 氏
制御盤安全WG 主査 富士電機機器制御(株) 開発・生産本部 開発統括部 開発部 ネットワーク機器課課長
田澤 勇治 氏
鶴岡 正敏 氏
鶴岡 正敏 氏
田澤 勇治 氏
田澤 勇治 氏

ドイツにおける、設置後10年程度経過した太陽光パネルで起きている火災問題を紹介。検出困難な火災原因であったアークフォルトを検出する装置が一部欧米メーカから出てきており、詳細な研究も進められている。この様に、新エネルギー源の安全に対する活動が重要である。

制御機器の工業会であるNECAの取組みとして、スマートコミュニティでのエネルギー多様化に伴う、電気安全の必要性についての課題を2点挙げる。

  1. ①制御盤・配電盤などのスマート化、多様化が始まっており、これらを設計する場合に電気安全に関わる知識と技術が今まで以上に広範囲となり重要となる。
  2. ②NECAが担当する制御機器商品において、比較的高電圧の直流給電が普及した場合には、機器の接点開離時にアークが継続しやすくなり、火災や感電リスクが高くなる。

各課題に対する具体的な活動を紹介する。

①制御盤安全WGの活動

スマートコミュニティの進展、電源の分散化、直流給電の普及等により制御対象が変わりプレイヤーが多様化する事で、電気システムにおけるリスクが大きく変化することが想定されるため、「体系化した電気安全指針」の必要性を発信しWGを発足した。電気安全とは、電気に起因する「感電・漏電・火災事故」などのリスクを回避(低減)するための技術である。関連技術の規格を調査したところ、PV向け等の個別規格はあるもののシステム連携を意識したものがなく、例えば直流部については単純に接地を禁止しており、蓄電池等との組合せを考慮した感電保護が想定されていない等の課題がある。太陽光発電施工業者にアンケートを実施したころ、短絡・地絡保護及び接地に関する明確な参照規格がなく困っているとの意見が多かった。来期以降に、イラストを多用した分かり易い電気安全指針としてのガイドブックをまとめていく計画である。

②直流給電国際標準化委員会の活動

経済産業省の国際標準開発事業として受託したもので、現在2年目にあたる。直流給電は、交流-直流変換の回数を減らしてエネルギー損失を低減する事ができるため、IT機器が直流で動作しているデータセンタなどに普及している。データセンタの直流給電の国際標準化は日本主導で進めており、直流給電に対応したサーバ等も製品化されている。但し、直流給電には課題もあり、アーク対策等の技術的課題と規格・法体系の整備が挙げられる。直流給電の標準化例としてはプラグとコンセントを日本主導で進めており、NECAではIEC61058「各種機器のスイッチ」における、直流スイッチの技術的課題を検証し標準化を目指している。直流500V/4Aを開閉させたときに生じるアークのビデオと併せて、様々な条件での直流スイッチの開閉試験結果を紹介した。2012年9月にオスロで行われたSC23J国際会議で、この取組みに対する「日本人コンベナ(リーダー)による新WG」の発足が認められたため、その準備を進めている。

NECAではこの様な取組みを進めることで、安心・安全な低炭素社会の実現への一助になり、標準化による国際社会への貢献を出来ればと考えている。

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