社団法人 日本電気制御機器工業会

講演②「フランスにおける模倣品対策成功例と今後の展開について」

CTO of Advanced Track & Trace, Member of ISO PC246/TC24
Mr. Zbigniew Sagan
Mr. Zbigniew Sagan

フランスの模倣品対策に関する経験を日本に来て話をすることは光栄である。象徴的なのはフランス、EUと日本がここに集まって議論し、理解を深め、ともに解決に向けて努力することが素晴らしい。今回の機会を通して、何をすべきか、何が一番良い方法かの議論が始まり効率的、効果的な対策が検討されることを期待したい。

私はAdvanced Track & Traceというフランス企業の一員として、物理的な認証を専門に行い、模倣品対策の経験を積んできた。また、4年前から標準化活動に携わってきたが、標準 化には多くのノウハウが必要で、その業界・分野の精通した人たちの貢献があって初めて標準化は成功すると考えている。

さて、模倣品とは知的財産権の侵害であり、消費者では公衆衛生の危険性、企業では収入の喪失や財産の盗難、また、国では、税収機会の消失、雇用の喪失に繋がる。

2011年、フランスでは模倣品が9百万点押収された。これは、2010年に比べ42%増加、品目で1日あたり約2万5千点が押収されたことになる。その主なものは衣類で、その生産地はアジア、中国が最も多く、取引量の増加はインターネット関連の活動によるものである。また、税関に対する取締要請件数も増え、知的財産権利者が意識を高め、模倣品に対する市場での検知能力を高めているのは良い兆候である。しかし、詐欺集団は意志決定が迅速で適用能力が非常に高い。さらに、インターネット上では、技術を駆使して自らを隠すことが出来るため、犯人の特定が困難である。したがって、効果的にインターネット上での取引を監視しようとしても非常に課題が多い。

民間と公的機関のパートナーシップとしては、フランスのISO認証機関のAFNORがある。模倣品対策活動に従事しているCNAC(国家模倣品対策委員会)もあり、300以上の企業、専門団体が参加する官民共同の取り組みのUNIFABもある。4年ほど前にAFNORは、模倣品対策について標準化を通して解決策を見いだすために日本を含む17カ国が参加するPC246を設立した。既にISO12931規格を公表し、利害関係者に対して模倣品対策を考える基準を提供した。さらに、フランスでTC247が2009年に設置され、詐欺対策、詐欺防止にまでテーマを広げた。ISO16678規格は、相互運用可能なオブジェクト・アイデンティフィケーションのためのガイドラインと関連する真贋判定システムを用いて模倣品、不正貿易を抑えようとする新しい作業アイテムで、日本から1年前に発案された。

最後に、不正を行うものたちに対抗することは非常に複雑で、イタチごっこを覚悟しなければならない。今日、彼らは潤沢な資金を持って違法行為に及んでいる犯罪組織である。基本的には、技術的なツールを用いることによって違法行為を検知する能力を上げることが出来る。特に、物理的で論理的なセキュリティに集中し、真贋判定がし易いようなエレメントを用いて担保していくことが重要である。どのような技術を用いて、こういった違法製品を検知するかは法的な枠組みの調和が必要であり、立法化のプロセス、法律のプロセスも勿論重要である。長い目で見た時には、情報、啓発、教育、そしてコミュニケーションが必要とされ、またそれと同時に全ての利害関係者とのコンセンサス作りが重要と考える。

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