社団法人 日本電気制御機器工業会

講演①「Promotion measures of agriculture in the Netherlands and future prospects」

在東京オランダ王国大使館 農務参事官 Ms.Cindy Heijdra

Ms.Cindy Heijdra

今回のテーマであるスマートアグリとオランダの農業政策の発展の歴史、及びEUと日本とりわけオランダと日本の協力の必要性について述べる。

第二次世界大戦後、オランダでは三つの農業

  • ① 耕作農業
  • ② 園芸農業
  • ③ 畜産農業

夫々を全て行う小規模農家が増加していた。

政府は土地活用のために規模の拡大が重要と判断し、農地の統合を推進した。そして二度と飢餓を起こさないと言うスローガンの下で、食料生産増産のため農業への助成が行なわれ、1960年代以降、助成金の効果と温暖な気候の影響によって、農業生産規模が拡大した。

これらの政策により、オランダの国内農業生産規模が国内市場を超え余剰分の農産品を国外に輸出するようになり、オランダ経済における重要な柱となってきている。現在農業食品生産産業はGDPの9%に達しており、雇用の10%を担っている。

一方これらによるマイナスの側面もある。それは生産量を拡大させるために、肥料や殺虫剤などの使用量が増加してしまった事である。環境に対する影響について社会的に懸念されるようになり、持続可能な栽培方法に基づいて農業活動をするよう過去から研究開発活動に力を入れてきている。オランダは非常に小さいが開かれた国であり、常に自由貿易を促進し、EUや日本との自由貿易の提携を強く希望している。

オランダの農業生産者は国際的な競争環境におかれており、他国の生産者と比較して、より最適な生産条件を導き、最小の投入量で最大の収穫が得られるノウハウを有している。

オランダでは農業・農業者の発展のために大切な事は企業家精神とイノベーションであると考えられており、農家は農業企業家として、例えば農業の機械化にも取り組んでいる。最初は簡単なものから始め、特に温室栽培においては非常に高度な機械化が進んでいる。先ほども触れたがオランダ政府は農業生産の効率化に関する研究開発に力を入れており、特に大学における応用研究開発が大きな役割を果たしている。そしてその研究成果をコンサルティングサービスとして提供し、農家は使用量を払って利用している。

オランダにおける農業従事者の80%は依然として家族経営ではあるが、一般の企業と同じく生産に対して戦略を立てビジョンを打ち出し、計画を立てて経営を行なっている。ここは日本の農家とは違うところかもしれない。

またオランダ政府は欧州の共通農業政策CAP(Common Agricultural Policy)を基本としてさらに追加的な政策を実施すると共に、近年では補助金のプログラムや財政処置に関しては、イノベーションと持続可能性という点に重点をおいている。また同時に政府の役割も変化してきており、主導的な役割から円滑に進めるための助成的なものになってきている。

また、今日の社会・経済情勢は、世界的にも国内的にも、より強い革新力と企業家精神を求めている。

オランダ政府は一層の規制緩和によって、企業家にとってのビジネス、投資、革新、輸出の自由を増すことで経済機会をもたらすこと、それによる経済成長と社会繁栄を促進するため、オランダが強い10の産業分野を「トップ・セクター」に位置づけており、その中に農業食品と園芸・育種が含まれている。

本日のテーマであるスマートアグリは多くの意味合いを持っている。例えば栽培空間の最適な利用方法であったり、肥料や水などの使用量を減らす事であったり、センサ技術の活用など様々である。また、農業以外の技術分野とうまく連携する事も大切である。

これからも世界の人口は増加し、それに伴い安全で持続可能な食品に対する需要は高くなっており、これらに応える事は先進国の責任である。EUと日本は相互に提供できる範囲が広くあり、パートナーとして協力できる領域を見つけてゆくことが重要である。

オランダは日本と今後さらに連携を深めたいと思っており、特に持続可能な農業分野の発展のためにパートナーシップを組んで行きたいと考えている。

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