社団法人 日本電気制御機器工業会

セーフティアセッサからのメッセージ

フロントローディングによる安全の実現

旭硝子株式会社 エンジニアリングセンター 自動車ガラスグループ 主席 石丸友之氏

AGC旭硝子はガラス、電子・ディスプレイ、化学の各事業を欧米、アジア、日本とグローバルに展開しており、その中でエンジニアリンググループは、これらグローバルな生産活動の拠点において設備開発、設備導入、立上げ等の役割を担っている。
特に安全に関しては、本田宗一郎氏の御言葉『安全なくして生産なし』を、弊社石村COOが安全ポリシーとして掲げ具体的な3つの思いを活動の軸としており、その軸の一つの“設備の本質安全化と作業方法の改善”と言うエンジニアリンググループにとって非常に重要な項目について、その実現の為に継続して活動を行っている。

2.自動機械設備設置安全基準
エンジニアリングセンターでは1992年にDIN/VDEを基本とした“設備を取扱う労働者”の災害防止を目的とした日本国内向けの『自動機械設備設置安全基準』を制定し、約17年間、災害防止に貢献してきた。
一方で、現在、世界ではISO/IEC規格が発行され、安全については、その基準に従う事が求められており、日本のJISもその潮流に従う動きが加速されている。
こうした流れと安全を予め設備設計に盛込む『安全のフロントローディング』と言う考えをベースに、『事故や災害を未然に防ぐ文化、風土を作る』と言う強い思いを背景に、自動機械設備設置安全基準は2009年1月に内容を大幅に見直し、運用を開始した。
=改訂の3つのポイント=
●国際社会への対応→ISO/IECに従ったグローバル安全の実現
●リスクアセスメントの法制化への対応→国内の法への対応
●CSRへの適用→取扱う労働者の災害防止だけでなく、
“環境”、“コンプライアンス”への対応

3.AGCグループの目指す機械安全
1992年以降、これまでは設備使用者視点でのリスクアセスメントを主に実施してきたが、今後は設備設計者・製造者視点でのリスクアセスメントを、弊社内事前安全審査制度の仕組みに盛込み、残留リスクを、使用者情報伝達として設備の使用者に伝達し全体でPDCAを実践していく。

4.機械設備の全ライフサイクルに於けるリスク低減とフロントローディング
弊社では2006年の主要設備メーカ向けの中期計画説明会に於いて“2010年以降、AGC旭硝子はリスクアセスメントをしていないメーカからの設備は受け取れません“と宣言した。
その最大の理由は、機械の全ライフサイクル【構想・基本仕様・基本レイアウト・設計・製作・据付・運転・廃棄】の中で、【設計~据付】に関する行程は、主要設備メーカ、或いは一般設備メーカが主体となるケースが多く、全を社内で完結することが出来ないためである。
こうした状況を踏まえ、現在では、弊社に於いてこれら設備メーカを巻込んで、リスクアセスメント活動を推進しており、またその中では、予め安全設計のノウハウや事故災害などからの教訓や、国際規格・法を設計に盛込むなど、安全のフロントローディングと言う考え方を取り入れ、安全という視点で協働するメーカとの間で良好な関係(Win-Win)構築を目指している。

5.リスクアセスメント実行に向けて
弊社では
①自社で独自にISO/IECを勉強し取組む
②外部コンサルタントの活用
③第3者認証機関の活用
④SA資格者制度の活用
と言う4つの選択肢に絞り、特に国際規格を学ぶ上で非常に充実した講座構成である事、資格取得が受講者のモチベーションの向上に繋がる等の理由から④を採用した。2008年6月現在で、有資格者はAGC旭硝子約80名、主要設備メーカ約30名となっている。
また、実際のリスクアセスメント実行にいては2006年6月にリスクアセスメント実施ガイドラインを策定しており、エンジニアリングセンターのプロジェクトで実践トライを重ねている。

6.今後の展開
◇フロントローディングによる保護方策の実現
→SA資格者養成、社内人材のスキル・能力向上を図る。
◇主要設備メーカを巻込んだリスクアセスメント活動の加速、推進
→2010年4月以降 設備納入メーカはリスクアセスメント結果シートを提出する。

7.最後に
今後各設備メーカにSA資格者が増え、さらにそれら設備メーカに関係する設計メーカにも、SA資格者が増えて行くことによって、AGC旭硝子のみならず、社会全体に、SA資格制度が浸透し、より安全が高まって行くことを期待している。
またSA制度そのものが、さらに発展し、有資格者のモチベーション向上に繋がる様更に活動実績を積んで行きたいと思います。

Copyright 2001 - 2017 NIPPON ELECTRIC CONTROL EQUIPMENT INDUSTRIES ASSOCIATION