社団法人 日本電気制御機器工業会

セーフティアセッサからのメッセージ

HondaにおけるSA取得取り組みについて

本田技研工業株式会社 浜松製作所 製造技術主幹 西山政則氏

Hondaでは、2006年からSA認証取得を全社施策として展開した。
第1ステップとして、弊社の製造部門5事業所を含め設備製造部門のホンダエンジアリングや開発部門である研究所を含めた事業所に1名以上のセーフティアセッサと数名のサブアセッサを配置することを目標に揚げ、高い専門性をもった設備信頼性担当者が取得にチャレンジした。
現在弊社ではセーフティアセッサ12名を始め、サブアセッサを含めると94名の認証を取得している。
今後は実際にリスクアセスメントを行う現場の管理監督者、スタッフまで底辺を広げていきたいと考えている。
■SA取得までの経緯と目的
弊社でリスクアセスメントを全社導入したのは、約11年前の97年からである。
リスクアセスメント導入した背景には、当時はチョコ停が多発していて、96年に重大事故が発生したのもチョコ停復帰作業による挟まれ災害であった。幸いにも死亡災害に至らなかったが、これを機にリスクアセスメントを導入した。
その後国際安全規格のJIS化に伴い、07年に弊社の機械設備安全基準(内容はISO12100-1等国際基準に準じる)を全面的に改訂したが、それに先駆けて国際安全規格を理解できるキーマンつまりセーフティアセッサ(以下サブアセッサを含めSAと称す)の認証取得が必要と判断し、前述のSA認証取得の展開に至った。
私自身08年にSAを取得したが、それに至る研修や学習等で国際安全規格の理解を高めることにより、「安全な設備造りの概念」がより明確となり、これから目指すグローバルな安全構築にも役立つことを実感した。
■SA取得による期待効果
第1ステップで取得しましたSAは、おもに現業部門で実施したリスクアセスメントの第三者的査定ならびに設備検証を行う立場で活躍している。
その具体的なSA取得による期待効果は、それぞれの事業所によって置かれている環境や安全への取り組み状況などによって違ってくると思うので、弊社をベースに私見的な視点からみた代表的な期待例を挙げる。
①重大な危険源を見落とさないリスク低減の実現
②国際安全規格に基づく本質的な安全設計の実現
1番目に挙げたポイントは、重大災害に結びつく危険源、危険状態、危険事象などを見落とさないようなリスクアセスメントの質向上が実現できること。
2番目は、国際安全規格に基づく本質的安全設計の実現が一歩も二歩も前進できることだ。
特に安全システムを構築する上で、製造者側と「共通言語」で会話が出来るようになり、フロントローディングによる本質的安全化がより進むことで、高度化、複雑化したシステムでも真の安全職場が構築でき更には無駄な後始末工数やコストが大幅に削減できると確信している。
■今後の展望
弊社のアセッサ資格を持った技術者は、国内だけでなく、海外の事業所或いは社外においても活躍している。
例えば日本からSA資格をもった技術者がインドネシアの現地に飛び、最終的な設備安全検証を行ったり、現地の指導者を教育するなど貢献した事例が多く挙げられるが、今後は更に活躍できる場面が東南アジアだけでなく、例えばインド、ロシアなどにも拡大していくと予測される。
最後に当事業所の近在にある設備製造企業において、まだリスクアセスメントを導入していない企業がまだ半数を超える。
リスクアセスメント導入企業とSAの拡大に向けて、これからも積極的にサポートを行い、真の日本安全文化が構築できると共にSAが国際的に認知されることを強く切望している。

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