社団法人 日本電気制御機器工業会

セーフティアセッサからのメッセージ

国際安全規格の考え方を取り入れた回転ドアの開発

三和シヤッター工業株式会社 生産本部開発技術部 松原寛氏

私は、2004年3月26日に、六本木ヒルズで6歳の男の子を死亡させる事故を起こした当時より回転ドアの制御部の開発に携わっている。
私は回転ドアで事故を起こした直後に、あるセンサメーカから安全技術応用研究会を紹介された。それから、安全技術応用研究会の講習会を受講するようになり、機械類の安全に関する国際安全規格につい て学ぶようになった。その中で、上司の薦めもあって、セーフティアセッサを取得する事になった。
現在は、主に回転ドアの開発に関してセーフティアセッサの知識を活用している。弊社のような国際安全規格に基づく安全性の考え方が根付いていない会社においては、セーフティアセッサと言う資格が、自分の発言力をフォローしてくれる事を実感している。今回のフォーラムを契機にして、弊社内に国際安全規格に基づく安全性の考え方を根付かせる事ができればと考えている。
回転ドアについては、事故直後より、経済産業省によって「自動回転ドアの事故防止に対する検討会」が設置され、回転ドアの安全性について、機械類の安全に関する国際安全規格を取り入れる事が検討され、2005年8月30日にタイプC規格となる自動回転ドア-安全性JIS A4712が制定された。このJISには設計方法及び手順について、リスクアセスメントを実施し、3ステップメソッドによるリスク低減方策を反復的に実施する事が記載されている。
弊社は、このJISに基づいて、新しい回転ドア「レボフォート」を開発した。「レボフォート」は、リスクアセスメントを実施し、リスクランクを決め、リスクランクに応じたリスク低減方策を実施している。本質安全設計としては、回転体の軽量化、回転速度の低減、緩衝材の設置、戸先が折れる構造の採用などを行っている。また、安全防護と付加保護方策としては、各種センサの設置、速度監視装置の設置、全ての区画への非常停止ボタンの設置などを行っている。
「レボフォート」の開発に当たってはセーフティアセッサとしての発言力を十分に生かすことができた。今後、弊社が製造・販売する全ての製品の安全向上と工場の設備の安全性向上に役立てたいと考えている。
現在、弊社では、新しく建設する社屋に回転ドアを設置し、手動の回転ドアについても、この自動回転ドアのJISの考え方を取り入れて開発を進めている。また、事故の教訓を風化させないため、毎年3月26日を「安全を誓う日」として制定し、ご遺族のご了解のもと、事故機を事故当時の状態で動態保存している。今後、このような取り組みも含めて安全性の向上に努めて行きたい。

Copyright 2001 - 2017 NIPPON ELECTRIC CONTROL EQUIPMENT INDUSTRIES ASSOCIATION